[第2章]風早國造神主講演録・朝礼講話
秋祭りを終えて、氏神さんの事あれこれ

4 モーテコイの意味と何故神輿を壊すのか?

井上宮司

御神輿。御神輿担ぐ時にどういうふうに声かけてる?御神輿担ぐとき。御神輿担ぐ時にどういうふうに掛け声かけてますか?

生徒

モーテーコイ

井上宮司

栄町を渡御する神輿(平成24年10月7日午前8時頃)
栄町を渡御する神輿(平成24年10月7日午前8時頃)

モーテーコイ。その通り。モーテーコイって。テレビで松山の方の御神輿担いでる時にモッテコイ、モッテコイってね。神輿をガッシャンするけん神輿、モッテコイモッテコイって言ってるけど、私は間違ってると思う。神様が通る道は昔から決められてるんです。こうこうこう行って、あそこの角曲がって、あそこ行って、つきあたりを右に行ってってね。それぞれの地域で、御神輿の通る道が決まってた。だから御神輿を担ぎよる人が、その近くの人に対して、「御神輿が来ましたから、お参りにいらっしゃいよ。」お宮にお参りすることを、詣でるって言うよね。初詣(はつもうで)とか、宮詣(みやもうで)って言うでしょ。それと同じように、「御神輿が来ましたから、お参りにいらっしゃいよ。」「詣でて来い。詣でて来い」がモウテコイになったの。詣でて来い。もうでてこい。モウテコイ。これを覚えておいてね。

故事に則り神輿を海中から引き揚げる(平成24年10月7日大濱海岸)
故事に則り神輿を海中から引き揚げる(平成24年10月7日大濱海岸)

そして御神輿がそういうふうに伝わって、地域全体を周って、朝の6時か、朝の6時にお宮を出て、そして夕方の4時半になったらお宮に帰って、そして39段の石段の上から落として、壊してしまう。どうしてかな。どうして折角、作った神輿壊すのかな。

 

お米を作るでしょ。お米作ってお米が出来たら稲刈りしてしまう。稲刈りしてしまう。だからお米が無くなる。だからまた来年春になったらまた新しいお米を作る。それと同じ。御神輿=お米と思って。そして折角1年に1度だから、神様に新しい御神輿に乗ってもらう。1年に1度だから、神様どうか新しい御神輿に乗って、そして私達の所に来てください。そういう意味なの。御神輿が、神聖っていうのはあんまり解りにくいかもわからんけど、綺麗な御神輿に乗っていただくっていうこと。

 

そしていつまでも、だらだらだらだら祭り気分に浸ってるとよくないから、お仕事も出来ないから、勉強も手につかないから、そのキリをつける為。さあこれで全部今年のお祭りが済んだぞ。さあまた明日から勉強しようか。明日からまた仕事しようか。そういうふうな気持ちに切り替える。一言で言うと、来年新しい神輿を作る為に、祭りの締めくくりとして神輿を壊す。来年新し神輿を作る為に、祭りの締めくくりとして神輿を壊す。

暴れ神輿の神事(平成24年10月7日午後4時半頃)
暴れ神輿の神事(平成24年10月7日午後4時半頃)