[第1章]風早國造神主講演録・遺稿集
未来を担う風早の若者たちへ - 君達には物部氏の血が流れているんだ! -
正しい秋祭りの継承を願って

13 祭礼日の変更について(当時の見解)

司会(塾長)

よくみんなで話し合ったときに出てくるのですが、今、氏神(→風早宮大氏神)さんのお祭りが11日ですね。これは仮に10日が祝日(昔は「体育の日」は固定されていた)なんですが、これに移すというようなことはできるものですか。

井上宮司

そんなことを皆さん言ってますね。今年はたまたま10日が体育の日で11日が日曜日ですね。皆さんが言ってるのと合致しているわけですね。前々から私はそういうことをお話はしておりますが、ああそうかいな、というふうに聞いてはおりますが、私自身としては変えようと、今のところは思っていないんです。なぜかといいますと、お祭りというのは先ほど言ったように、生活と密着しているわけです。だから、収穫前とか収穫時期だとか、今はやってないですが、前はお百姓さんは蚕を飼ってましたね。お蚕さんを飼っておって、そしてそのお蚕さんが繭を作って出荷するときだとか、はきたてのときだとかというところにピタッとそのお祭りが重なると、どうしても生活が一番ですから、それを優先しないといけない。だからお祭りはするけれど、生活が一番ですから、生活をする、その生活を一番に考えてお祭りをするわけです。だから今度のような場合は、相手は何かというと、お祭りじゃなしにお休みでしょ。お休みがあるからお祭りを変えるというのは、生活には密着していないわけです。だからそれは、自分たちが休みになった。休みだからお神輿がかける、じゃあいいじゃないかという、そういう考えなんですね。それでお祭りというのが果たしていいんだろうか。

今は、所によりますと、雨が降りますね。たとえば11日にお神輿を担がなくちゃならない。しかしその日は雨だった。じゃあ、雨が降るから濡れてしまうので、マイク放送して「今日は雨が降りますから、お神輿を担ぐのは明日に延期します」なんていう放送するところがあります? 私は、雨が降ろうとなんだろうと、それはやっぱりお祭りの日ですから。雨が降ろうが槍が降ろうが、それはやらなくちゃならないと思うんです。雨が2日も3日も降れば、延ばさなくちゃならないでしょう。「お祭りなんていうのはそんな見せ物じゃない。」私はどうかなと思いますね。

ゆくゆくは、将来はどんなふうに変わるか知りません。(この後、平成13年から神社と氏子代表が協議を重ね風早地方祭は「体育の日」を含む三連休に変更された。)でも私は今のところは、しばらくのあいだ様子を見てみようかなと思うてはおるんですけどね。あえて反対はしませんけどね。それじゃあ日曜日になってどうするか。じゃあひとつ「かき比べ」をしようじゃないかと。あるいは「だんじりのかき比べ」とか聞きませんか。このあたりはないでしょうが、なんでかき比べをせんとならんのかと思いますね。そのあたりも、向こうの人に言わせたら、それによって1位2位を争うのかもわかりませんが。神様のお祭りがどうしてそうするのか。私にはちょっと分かりません。これはまた勉強せんといかんかなと思っておりますが。「統一練り」とでも表現するべきでしょうか。

たしかに、日曜日だったら皆さんはいいのかもわかりません。でも日曜日だから、今まで100人だったのが500人出るかというと、そういうこともないだろうと思いますしね。いろいろ私も考えます。どんなふうにしたらいいだろうかと、考えてはおりますが。ただ、お祭りだから変えようやということだけでは、私はちょっとどうかなというふうに思います。

司会(塾長)

何か他にございませんか。

井上宮司

皆さんの方がよう知っとるから……。